ATS−S型 |
最初に作られた安全装置で、赤信号の手前になると地上子からの信号を受けて、運転室の警報機が鳴り、5秒以内に確認ボタンを押してブレーキをかけないと、非常ブレーキがかかります。
ATS−S型装置のしくみ
信号機が赤のとき、地上子から電磁信号が出ていて、そこを通過した列車の車上子がこれを感じて運転席の警報機を鳴らすしくみ。 |
ATS−P型 |
新しいATSの装置で、赤信号だけでなく、黄信号や線路の行き止まりの場所などでも安全装置がはたらくように作られたもので、ただ列車を止めるのではなく、一定のパターンで速度を落とすようにコンピューターが制御するように設計されているのが特徴です。
ATS−P型装置のしくみの例
仮に黄色(45キロ)の信号表示とします。
右側からやってきた列車は、地上子から45キロの信号と信号機までの距離情報を受けます。
するとコンピューターが信号機のあるところまでに45キロに速度を落とすようにブレーキのタイミングを計算します。
コンピューターが計算したタイミングまでに、運転士がブレーキをかけて速度を落とさなかったときは、警報音が鳴り、自動的に速度を落とします。 |
設備の例 |
ATSの地上子 |
ATSの車上子 |
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ATC |
みんな、新幹線や山手線に信号機が無いのを知っているかい? じゃあ、どうやって安全に列車を止るかというと、運転席に信号を置いているのだよ!
とはいっても、運転席にあの赤や黄色の信号機を置いているのではなくて、線路に信号電流という電流を流し、そこを走る列車の速度計に、指示速度を表示するしくみになっていて、その速度をオーバーしていると、自動的にブレーキがかかって、指示速度までスピードを落とすしくみになっている。 ちょっと難かしいけど、わかるかな?
なぜなら、新幹線は、あんなに速いスピードで走っているから、信号機を見てからブレーキをかけたのでは間に合わない、また山手線のように、電車の運転本数がすごく多くて、しかも駅と駅との距離が短かいと、地上に信号機を固定すると、すぐに信号待になってしまうから、電気的に信号機を作ってしまったわけだ。
ATCのしくみ
ATCは線路に信号電流の流れる区間(ここではセクションと書いています)を作り、それを前を走る列車や、駅との距離によって速度を決めています。
この例では、先行列車のすぐ手前のセクションでは、指示速度0キロ、そして1つ手前になるごとに、45キロ、65キロという指示速度が設定され、1キロでもオーバーすると自動的にブレーキがかかり、指示速度までスピードを下げます。
山手線や京浜東北線の電車の運転室から、時々 「チーン」という音が聞こえてきますが、これが指示速度が変わったときに出る音です。
左のものはATC用の速度計で、目盛のまわりが黒くなっていて、○に45というランブがついている。
これは45キロの速度指示が出ていることをあらわしている。
運転士は「信号45」などと言って確認し、駅を出発するときでも「出発進行」とは言わないので、実際に聞いてみよう。 |