駅メロディーの部屋11 東京へメロ録りに来る人へ
 私のように関西人の者のほか、他の地方にお住まいの方で、関東地区の駅メロディーを録ってみようと思っている人、また少しずつ録りはじめている人もあるかと思います。
 また関東地方に住んでいる人でも、例えば小田原在住の人が茨城・栃木方面のメロディーを録音しに行く場合は丸1日がかりで、場合によっては泊りがけになりますよね。そんな人へのアドバイスになったらと思いました。


その1.方向性を決める
 これは一番重要な事項です。自分のメロ録りスタンスを決定づけるためにも欠かせないもので、1駅に長居してじっくり録音するのか(音質重視)、とにかく色んなメロディーを早く集めたい(量重視)で変わってきます。

 1. 音質重視型
  自分の気に入ったメロディーを良い音質で手元に残したい・・・という理由で始める人が多いと思いますが、その通り自分のお気に入りのメロディーのある駅に的を絞って録りに出かけます。それから周辺の駅へと徐々に広げていきます。狙いが決まっているだけに簡単なようですが、納得のいく音が録れるまで、何度も再訪問・再録音したりと、結構粘り強さが要求されます。

  a.一つの駅で半時間〜1時間は粘ろう
 1発録音OKはなかなか出ないもの。早切りや敵音が入ることが多いので、良い音が録れるまで粘りましょう。

  b.それでもだめだったら次回に回そう。
 大きな駅では駅員が1時間毎にマイクの担当を代わったりする駅もあるので、とりあえず1時間粘って、それでも交代しないようなら、確実に別の駅員と交代する翌日などに録音する日を回しましょう。 同じ日でも朝ダメなら帰りに寄ってみるとか・・・。

  c.同じ曲があるなら別の駅で録ろう
 粘ってもダメなものはダメ。 もし別の駅で同じ曲を使っているなら、そちらへ回るのがベター。 同じ曲を採用している幾つかの駅から最良の録音環境にありそうな駅に狙いをつけてGO!


 2. 量重視型
  駅メロのホームページを作りたいとか、耳コピーして着メロ作成したいといった動機で始められる人が多いと思います。こちらは質よりは量と早さが勝負で、1日に何軒録音できるかといったところに重点を置いています。
  発車メロディーを扱ったページは、学生などを中心に増えてきていますが、着メロやmidi作成のためならともかく、実録のページあって即切りやマイク轟々、対向列車の音や夏場のクーラー排気音ブンブン入った音を平気でそのまま掲載しているページもよく見受けられますが、あまり感心できません。

  よく見掛けるのが電車のドアのところに立ち、ドアが開いている時にマイクやテレコなどを突き出して録音している人ですが、即切りされたら終わりだし、ちょうどスピーカーの近くに来るとも限らず、音質的には非常に悪い。 「この駅は○○タイプか」という判定材料程度しか利用できないので、せめて1本位は降りて待ちましょう。


その2.プランニングと実行
 方向性を決定して録音する駅が決まったら、いよいよメロ録り旅行の計画です。 旅行計画は、その性格によって随分変わってきますので、自分の方向に沿った計画を立ててください。

 1. メロ録りだけの旅行か否か
 私のように何度も東京へ足を運んでいても、実はメロ録り専用で旅行をしたことはほとんどありません。何がしか他の目的(写真撮影やアキバ物色など)と併せていることが多いです。そうなると、そちらの予定との時間の調整が必要になってきます。

 2. 何日滞在するのか
 おそらく新幹線での日帰りでは、まともに録音できないと思います。最低1泊2日以上は必要です。 また学生か社会人かによっても録れる日数が変わってきます。


 3. 何で行くか
 結構重要な要素の一つです。地元と東京との往復はもちろん、何駅か回る場合の切符の面もあります。また何度も往復するなら、経済面でも考えなくてはならない問題の一つです。

  a.新幹線利用・・・東日本管内の3連休切符などの商品や、回数券をチケット屋で買う方法もあるでしょうが、いずれにしても万札が飛びます。ホリデーパス

  b.青春18切符利用・・・一番安く行く方法で、東京周辺の駅へも乗り降り自由なので重宝ですが、地元との往復に時間がかかるのが難点、またムーンライトながら・えちごの指定券は、18期間中は入手が極めて困難なので、夜を上手に使っての移動も難しい。

  c.高速バス利用・・・夜を上手に使って、しかもムーンライトよりは簡単に指定券が手に入るのが高速バス、青春18切符ほど安くはないものの、最近では東京−大阪\5,000という格安の「青春ドリーム号」「東海道昼特急」などのバスも登場し、にわかに注目を浴びている。

 また東京周辺を回るのに便利なのがホリデーパスだが、土・休日のみなのが残念。 他には東京フリーきっぷや都区内フリーを使うのも便利。 この他に近郊切符の大回り乗車もあるが、一定時間(3時間かな?)を超えると自動改札に引っかかるので注意。実際、私も引っかかったことがあります。


 4. どこに泊まるか
 意外と重要なのが宿泊場所。これは経済的な面もあるが、むしろ時間的な面が大きい。

 A.ホテル(ビジネスホテル)
 前日一番電車で地元を出発し、最終電車ギリギリまで録音に粘って疲れた体に、ホテルの心地よいベッドは禁物。 モーニングコールや目覚ましをかけたのだが気が抜けてしまい、翌朝気が付くとチェックアウト寸前という事態に慌てても後のまつり。

 B.カプセルホテル
 「ホテルで寝坊するのなら・・・」と次に選択するのがカプセルホテルで、朝7時台には何となく物音で目が覚める。 でもこれも慣れてくるとあまり効果がなく、私が泊まっていたある日のこと、「うむ?何やら女性の声がザワザワと、しかも中国語だ!」と思ったら、朝10時を回っており、カプセルの掃除を始めていた。パンツ一丁で慌ててカプセルから飛び出し(中国人は強い?全然気にしない)、身支度を始めたことも一度あった。

 C.まんが喫茶
 そうなると次は布団で寝ないこと。 そこで登場するのが「まんが喫茶」である。 近ごろはリクライニング席を設けたお店も多いので、結構寝れる。しかしあまり寝過ぎると延長料金がかさんでしまうので注意。 午前0時から6時頃までの深夜パックで1,500円〜2,000円位が多い。 1,500円で暖かい場所で寝れて、飲み物はタダ、おまけにインターネットまでできるのだから、これを外す手はないかな。 更に店によっては畳の部屋まである。(→7時半まで寝過ごしちゃって2千数百円払うハメになったこともあった)

 D.24時間営業の店
 ファミレスなどの24時間営業の店で粘る手もある。しかしこの場合、ビニールレザーの直角椅子に座っているだけなので充分睡眠が取れず、翌日けっこう辛い。また何人かと行くならともかく、一人でお店に入るのも気がひけるので、あまりオススメしない。

 E.友人・知人の家
 関東地方に友人や知人の家があるなら、そこで泊めてもらう方法もあるが、メロ録りは早朝・夜間での録音のケースが多いので、早朝出発・深夜帰宅となり、相手の家の迷惑にもなりかねないので、もう一つかな? 独り暮らしの大学生の下宿に転がり込むならまだしも・・・。

 このほか一週間とか滞在できるなら、ウィークリーマンションなどを利用してもいいでしょう。
 「早起きは三文の得」という諺があるが、とにかく早起きをして、街が騒々しくなる前に録音チャンスを確保したいものである。


 5. 大事な充電
 録音に精を出すのはいいのだが、バッテリーの消耗には充分注意をしよう。 最近はMDを使った録音をする人が多いが、付属の電池は専用バッテリーがほとんど。 そうなると当然充電する必要がある。 朝から晩まで録音に回り、移動中の電車の中では今録った音の確認のために再生などしていては、とても1日バッテリーが持たない。 そこで途中で充電する必要があるが、はたしてどこで充電するか?

 a.駅のコンセント
 東京駅をはじめ比較的整備された駅には柱や壁面に清掃用のコンセントがあります。私は元々ビデオ撮りをやってきたので、駅構内を歩く時やFF店に入った時にコンセントを探しながらキョロキョロ歩く癖がついてしまいました。

 なお注意したいのは、以前に名古屋駅で携帯電話かパソコンだったかの充電をしていて窃盗罪で逮捕されたケースがあったことです。
 これは、駅という公共の施設とはいえ、民営化した私企業のものなので、客でもない人が勝手に電気を取ってはならないということで、さらにこの人は警察官ともめたらしく、それだったら司法の場で罪があるかどうかの判断をしようと送検されたらしい。
 一方、駅のトイレや列車の洗面所などでは乗客サービス用にコンセントがあることからも、やはり乗客としてりっぱに切符を持っておきましょう。 最近は改札外での充電は難しくなってきています。
 さらにテロ防止対策のためもあって、コンセントに鍵付きの蓋をするところもでてきました。消火器の左下にコンセントがあるよ

 b.車内のコンセント
 特急列車の洗面所だけだったコンセント。しかし今は通勤電車の中で充電ができる! JR東日本の新型通勤電車209系や231系には貫通路左下に100ボルトのコンセントがあり(右の写真では消火器の左下)、私も早速赤羽−品川間で乗った時に充電させてもらった。 乗客の快適を考えない安物臭いJR東日本の嫌いな電車達だが、一つだけ良い所があったのだ!

 c.飲食店のコンセント
 マクドナルドなどのFF店に入ってみるのもいいが、必ずしもコンセントがあるとは限りません。コンセントが比較的設置されているのはハンバーガー系の店ですが、客席の足元にあって、しかもそこが空いている必要があります。まあ「ちょっとすみません・・・」と言って足元失礼させてもらう手もありますが、そこはあなたの判断で。またミスドは内装が木目の店には少なく、黄/紫色壁の店はハンバーガー店と同じく期待ができます。最近は無線LAN利用客のためにコンセントを増設している店も見かけるようになりました。

 ※なるべく断ってから充電しましょう。また事後承諾として先に充電してる場合に、ダメだと言われたら、その場で止めましょう。

 6. 時間帯も考えよう
 よい音でメロディーを録音したいなら、時間帯も考えよう。以下の2つの観点があります。

 A.ダイヤ特性からくるもの
 朝・昼・夕・夜と時間帯によって乗客の数は変化するし、ダイヤ上の特性もあって、駅での停車時間も異なってくる。 これは重要なポイントであり、即切り・早切りをされないためにも、ぜひ特性をつかんでおきたい。

 B.駅の環境からくるもの
 また駅の周辺の状況も大きく関係してくる。 繁華街が近い駅は夕方から夜は音を出すだろうし、学校の多い駅では、登下校時にはホームに学生が溢れ、とても録音できる環境にはない。 また近くに商店街があって、特定の時間帯になると物流のトラックが頻繁に来たり、工事をやっていて日曜以外は朝から晩までうるさいなど・・・。

 このように時間帯や曜日によって録音環境が変わってくる駅も多いので、じっくり検討してみて、良い音で録音しよう!