駅メロディーのページ 音鉄WEBの作り方
鉄道の音を掲載しているWEBサイトは、あちこちで見ることができますが、写真に比べると圧倒的に少ないのが現状です。 これはやはり、駅や線路際でカメラを構えている人とマイクを持っている人の差を見れば一目瞭然でしょう。 また、写真の掲載がスキャナで取り込んで貼りつければいいのに対し、“音”という目に見えないものを編集するという作業が煩わしくあることからも、写真ほどにWEBサイト数が増えない理由の一つでもあります。
しかし“音”を扱ったサイトは、マルチメディア時代の中でも魅力のあるサイトの一つと言えましょう。 もちろん市販の素材集を使ってBGMを鳴らすサイトもありますが、これはオリジナリティーの面からも言ってここでは論外です。
掲載したい音は集まった?
何はなくとも、まず音源がなければ話になりません。 自分の掲載したい音を見つけて音を拾いに行きましょう。 また駅メロディーについては、当サイトのページも参考になればと思います。
録音機器はMDやDATが多いですが、一般のカセットテープでも充分音は拾えます。 但しHigh-position(CrO2,Fe-Cr)かMetal対応のデッキ及びテープを使ってノイズの低減をしましょう。
録った音をパソコンに取り込もう
写真で言えばスキャナー取り込みに当たる一番の重要作業になります。 この作業ではパソコンに録音の出来る端子やソフトが無ければ取り込むことはできないので、よく確認しましょう。
★★パソコンへの取り込み手順★★
左の画面は比較的多くのパソコンにインストールされているクリエイティブメディアのSound OLEによるものです。
1. まず自分のパソコンに音の入力端子があるかを調べます。(ノートパソコンではモノラルの場合が多いので注意。)
2.MDやカセットデッキの出力端子とパソコン側の入力端子をコードで結びます。
3.パソコン側で録音するソフトを起動します。
4.ソフト上で音質の設定をします。(左の画面) 属性を何通りか試して、ファイルサイズや音質を比較することをオススメします。
5.再生と同時にソフト側の録音ボタンをクリックして、録音を開始します。
6.録音が済んだら、ファイルの保存をします。この時点では.wav形式の保存となります。
ファイルを圧縮する
取りあえず.wav形式ながら音ファイルができました。このままWEBページに掲載してもよいのですが、.wav形式ではファイルサイズがとても大きくなってしまうので、何らかの圧縮をして、サーバースペースを節約するとともに、閲覧者に短い時間で快適にダウンロードしてもらえるためにも、.wavファイルのまま掲載しないで圧縮ファイルにしておきましょう。
さまざまな圧縮形式
さて、圧縮方法にはいろいろとあります。
一番古いのが、単純に圧縮する方法で、いわゆるLZH形式やZIP形式によるものですが、これは閲覧者による解凍作業が必要になることから、マルチメディアファイル用としては最近はあまり使われなくなりました。
その後続々と登場したもので代表的なのが、Real Audio形式、MP3形式、Windows Media Audio形式があります。 これらの形式にするには専用の変換ソフトが必要です。 以前はお金を出して購入しなければ手に入りませんでしたが、最近は無料でダウンロードできます。(私が圧縮を始めた98年頃は、4千円位でMP3変換ソフトを買ったものです。)
★★圧縮変換ソフトの使用例★★
左は市販のMP3変換ソフトを使った例です。
1.変換するwavファイルを選ぶ。
2.変換先のフォルダを選ぶ。
3.ビットレートを設定する。(左の画面) ビットレートとは、原音(wav)を圧縮する場合に何ビットで圧縮するかというもので、数値が小さいとサイズも小さくなりますが、音質も悪くなるので、大体96〜128位が一般的です。
4.スタートボタンを押して圧縮開始。
5.大概が数秒で圧縮完了します。
音ファイル用のフォルダを用意しよう。
圧縮ファイルができたら、ホームページ用のファイルの中に“音ファイル”専用のフォルダを作成することをオススメします。 メインページ(多分 index.htm)を置いてあるフォルダにむやみに置いたりすると、後で音数が増えた時に収拾がつかなくなる場合があります。
いよいよページ作り
1.決めておきたいコンセプト
ページを作る際に決めておきたいのがコンセプト。 これを決めていないと閲覧者にとっては作成者の意図が分からず、一度見たら二度と来てくれないページになってしまいますので、必ずコンセプトは決めておきましょう。
例えば速報系(早さにこだわり、曲数にこだわり)とかコレクション系(音質こだわり、曲にこだわり、メーカーにこだわり)とか、いろいろあると思います。
2.重要な掲載レイアウト
コンセプトが決まったら、掲載レイアウトにも気を使いましょう。 最初のうちは掲載音数が少ないので、音ファイルを作った順番に掲載してもよいのですが、数が増えてくるにつれて、何かの順番で並べなければ非常に見にくくなります。
駅メロディーの場合、大概が会社・路線ごとに並べます。
列車の音の場合は、路線ごとの場合もありますが、車両の形式別や性能別(VVVF車別とか直噴エンジン別)というような分け方もありますので、個人で工夫してみましょう。
3.幾つかのページを参考にしよう
いよいよ実際のページ作りと音ファイルを貼りつけるのですが、その前に幾つかのページが参考になるので、見ておきましょう。
これは各音をどういうレイアウトで配置するか考える時に役立つからです。
以下に駅メロディー紹介用のレイアウト配置例を挙げてみました。
A.路線の全駅を表にするタイプ B.録音した駅のみを表にするタイプ 各路線毎に表を作り、全ての駅の表を作ります。全駅を表示するので、駅の柱にある路線図ライクです。
山手線 内回り 駅 名 外回り 1番 品川 2番 1番 大崎 3番 1番 五反田 2番 1番 目黒 2番 : 以下続く :
そして掲載する駅の部分にリンクを貼っていきます。
同じ音を使っているホームの場合、一つの音を使い回しする場合と個別に録音する場合がありますが、作成者の方針によります。このタイプでは録音した駅の音だけを掲載するので、路線表示図的な見た目の良さはありませんが、非掲載による“歯抜け”の弊害を防ぐことができます。
山手線 品川 内回り 外回り 渋谷 内回り 外回り 京浜東北線 蒲田 南行 北行 大井町 南行 北行 東京 南行 北行
掲載駅数が少ない場合や“歯抜け”が嫌な場合は、このタイプをオススメします。
魅せるページを作ろう
このようにして次々と各路線・駅を増やしていきます。 また列車走行音の場合も基本的には同じようにして作っていきます。
表は視覚的に見やすいよう、整然と配列して色分けするなどしましょう。 ここで問題になるのは、表の作り方です。
一部のサイトに見られますが、例えば「東京地区駅メロディー」として、各路線の表を作ったのにもかかわらず、山手線・京浜東北線・中央線の3路線しか実際に録音・掲載されてなく、残りの路線は「準備中」のまま2年も経っている。
このようなサイトでは、誰も二度と見に来てくれません。
また駅メロディーを扱ったサイトは、取扱い駅に限りがあることもあって、そろそろ飽和状態に近づきつつあるので、ただ単に表にしただけでは真新しさに欠けるなどの魅力性に問題もあり、今後は何らかの工夫をする必要もあります。
これに対し列車の走行音は、録音場所も全国各地や海外と範囲は広く、車種も多くあるので、まだまだ発表の機会はありますし、需要も多いと思います。 だからと言って、単に羅列しただけの見にくいページを作っていると、やはりソッポを向かれてしまうので、やはり工夫は必要です。
工夫の例としては、写真と同様にロケハン情報や、音の変化の変遷・歴史を入れたり、条件別の音の比較、音に関する思い出話や意見交流などが挙げられます。 みなさんそれぞれで工夫して、楽しいサイト作りをしましょう。